プー先生に学ぶ~ミルトンモデル~

みんなが知っている童話「クマのプーさん(Winnie-the-Pooh)」。
原作は、1926年にイギリスの童話作家、アラン・アレクサンダー・ミルン氏によって描かれています。

擬人化されたクマのぬいぐるみで「プー」と、森の仲間たちとの日常を10のエピソードによって描いています。
プーさんは、今も昔も世界中のたくさんの人たちに親しまれているキャラクターですね。
私はあのボヤッとしたプーさんがとても好きです。 なんか癒されるんですよね~。

「川は知っているよ。いそがなくたって、たどりつくんだ。」
「もしきみの話を聞いてくれない人がいても、怒っちゃだめだよ。耳にほこりが詰まってるだけかもしれないからね。」
「もしボクたちが離れないといけないときが来たら、きみの心にボクを入れておいて。そこにずっといるから。」
「きみを見たときに、冒険が始まるとわかっていたよ。」
「小さなことが、心の中では大きな存在になることもあるんだよ。」
「草だって花なんだよ。知り合いになればね。」
「ちょっとの優しさと、ちょっとの思いやりが、大きなちがいになるんだ。」
「友達のいない日は、はちみつの入ってないつぼのようなものだよ。」
「自分を変えるものは、自分で作るものだ。」

これ、プーが森の仲間たちと過ごす日常の中で発する言葉です。
これは極一部!ご紹介したいものは、まだまだたくさんあります。

皆さんは、この言葉を聞いてどんな感じをされましたか?
なんだか分からないけど・・・
とっても曖昧で抽象的な言葉の中でも、何か心に響いて感じてくるもの、あなたなりに思い浮かぶことはありませんか?

ちょっと単純でおっとりしているイメージのあるプーさんですが、あの単純さだからこそ、ストレートに強く響く言葉をかけてくれますね。
これってどうしてなのかな?・・・私はいつもプーの言葉を聞くと感じます。

NLPは日本語の名称で「神経言語プログラミング」といいます。
実は、NLPでは「言語」はとても重要な要素とされています。

以前、このブログで卓越した3人のセラピストのご紹介をしましたが、その人物のひとりの「ミルトン・エリクソン」は、クライアントに対して、まるで言葉の魔術師かのように言葉による治療で効果を上げていました。
エリクソンが治療に使ったのは「言葉」。その巧みな使い方は優れてました。

「言葉は薬だ(The word is medicine)
こんな素敵な言葉を残しています。

NLPでは、このミルトン・エリクソンの言葉のスキルを「ミルトンモデル」と呼んでいます。この「ミルトンモデル」と呼ばれる言葉の使い方はとても独特です。たくさんの言語パターンを繋げて使うことが特徴です。

それは、言語をストレートに伝えるのではなく、わざと言葉を曖昧に使い、相手の脳の無意識にアクセスさせるというものです。
人に直接的にものをいうのではなく間接的に、相手に意識に抵抗感を与えることなく、相手に気づき与えたりメッセージを伝える目的に使うテクニックです。

例えば「これ」「あれ」「それ」のように、あえて具体的な名詞を言わない表現もあります。そして、会話中、相手の声のテンポや速さ、声のトーン、高さなどに合わせて、自分を変えてみたりします。

この話法が使えるようになると、冒頭のプーさんの言葉のような素敵な言葉掛けができるようになるかもしれません。
「ミルトンモデル」を使って直接的にストレートにものをいうのではなく、相手が自分の良いように、相手が自分の思い当たるイメージで、相手の思考を促すことができます。
また、話す時にあるものを擬人化にすると、すんなりとストーリーの中に入っていく効果があります。(メタファー)
相手にとって、より話が分かりやすく、メッセージの意味も相手のプログラムに沿って理解しやすくなります。
「川は知っているよ」、こんな感じで使います。

ピグレット「プー、君は何をしているんだい?」
プー「僕は何もしていないをしているのさ」

プーさんの物語の中で特に有名なセリフです。このセリフ、私はよく使います(笑)
休日にのんびりしすぎて、何かやらなきゃ!と思う時もありますよね。
たまには心おきなく「なにもしていないをする」、というのもリラックスして毎日を過ごせる「コツ」なのかもしれません。

「もしきみが100さいまで生きるなら、ボクは99さいと364日生きたいな。そうすれば、ずっときみといられる。」(クリストファーとの会話)

「100歳マイナス1日」というプーさんらしい子どもっぽい言い回しですが、
親友のクリストファーとずっと一緒にいたいという愛情がとても伝わってくる言葉でもあります。大切な人に贈りたい言葉ですね。

「(今日は)何の日なの?」と、プーさん。
「今日だよ。」と、かん高い声でピグレットはこたえます。
「ボクの大好きな日だ。」と、プーさん。

いつもの言葉使いを変えてみれば、相手との関係性の中で新しい気づきを見つけられると思います。
ぜひ、プーさんの様なユニークな言葉を使ったコミュニケーションにチャレンジしてみて下さい。
(すだっち)

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